静岡・三嶋大社の神様は? ご利益・見どころは? 三嶋暦との繋がりとは?

神社

お天気のいい日、JR三島駅に降り立つと、ホームの真正面にどーんと広がる富士山の大きさに、まず驚かされます。
三嶋大社へは、この富士山を背に駅から歩いて15分ほど。初詣には静岡県内でも最多の参拝客が集まるといわれる、伊豆国一宮の神社です。
なぜ、これほどまでに人々の信仰を集めてきたのでしょうか。その魅力と背景、おすすめの場所をご紹介します。

三嶋大社の神様は?

三嶋大社の御祭神は
大山祇命(おおやまつみのみこと)と
積羽八重事代主神(つみはやえことしろぬしのかみ)。
総じて「三嶋大明神」と称されます。

大山祇命は、山・森・農産を司る神。事代主神は恵比須様としても知られ、福徳や商いの神です。

創建の正確な年代には諸説ありますが、少なくとも奈良・平安時代にはすでに祭祀の体制が整っていたとされ、伊豆の人々の暮らしと深く結びついてきました。

境内の祓戸神社には、瀬織津姫神・速秋津姫神・気吹戸主神・速佐須良姫神の四柱の神が祀られています。
また、北条政子が勧請した厳島神社には、宗像三女神の水の神、市杵島姫命が鎮座し、この地が「水」と「祓い」を大切にしてきたことが伝わってきます。

三嶋大社のご利益とは?

三嶋大社のご利益は、大願成就、商売繁盛、家内安全、厄除け、必勝祈願、縁結び、五穀豊穣、病気平癒など多岐にわたります。

なかでも有名なのが勝運。
伊豆に流されていた源頼朝が源氏再興を祈願し、それが成就したことから、三嶋大社は伊豆国で最も格式の高い神社「伊豆国一宮」として広く知られるようになりました。

三嶋大社の見どころとは?

富士山・火山・水の信仰が交わる場所

三嶋大社は「地質学的にみて国際的な価値のある場所」として伊豆半島ジオパークの「三島ジオサイト」に登録されています。三島駅から三嶋大社まで歩くだけでも、この地が富士山と切り離せないことがよくわかります。

駅間の公園「楽寿園」には、富士山から流れてきた三島溶岩が露出し、縄状溶岩や溶岩塚を見ることができます。街なかには至るところに湧水が流れ、今も農業用水として使われています。

ゆるっと歩いてたどり着く三嶋大社の入口には、ジオサイトの解説版が。中でも、地質学的な解説に根付いたこの説明に胸を打たれました。

三嶋大社の祭神である三嶋大明神(大山祇命)は、伊豆半島や周辺地域の 火山とゆかりがあります。伊豆七島などではそれぞれの島に三嶋大明神の后神(妻)や御子神(子)が祀られています。また、三嶋大明神(大山祇命)の娘、木花咲耶姫命(このはなさくやひめ)は、富士山に対する信仰 の神社である各地の浅間神社に祀られています。三嶋大社から桜川に沿って 歩いた先にある浅間神社も木花咲耶姫命を祀る神社です。

富士山や箱根山、伊豆諸島などの火山活動が活発なこの地で、大きな噴火のたびに神格を高めてきた三嶋大明神や、その后神や御子神たちが祀られた神社が多いということは、人々が大地の恵みを受けつつ、畏れをもって自然とともにくらしてきた証と言えるでしょう。

つい富士山にばかり目が行きますが、実は伊豆諸島との深い繋がりがあることがわかります。

約15,000坪の境内には鎮守の森が広がり、15種類・約200本の桜や、樹齢1200年といわれる国の天然記念物・金木犀をはじめ、900本以上の樹木が茂っています。

奥に進むと、1866(慶応2)年に竣功された国指定重要文化財の社殿が現れます。富士山と同じように、どーんと広がる力強い気を感じる場所です。

参拝後は、神鹿園や宝物館を巡るのもおすすめです。神鹿園にいる神鹿は、元は大正時代に春日大社からやってきたそうです。宝物館では、北条政子が奉納した国宝「梅蒔絵手箱」の当時の技術と材料を使って完全に再現した模造品が見られます。

三嶋大社境内の福太郎茶屋の「福太郎餅」は1月7日に行われる神事「田祭・お田打神事(無形民俗文化財)」に出てくる、その年の五穀豊穣、天下泰平を祈る福太郎に由来する縁起菓子でこし餡がちょこんと乗っている姿から、「リーゼント餅」と呼ばれたりしている人気の草餅です。

三嶋大社と三嶋暦の関係は?

三嶋大社と一緒にこの地で受け継がれてきたのが、「三嶋暦」です。

三嶋暦は、鎌倉時代以来、かな文字で記された日本最古級の太陰太陽暦(旧暦)の暦として伝わります。木版で刷られた文字の美しさから、旅のお土産や贈答品としても人気を集めました。
織田信長が「本能寺の変」で亡くなる直前までこの暦を徴用し、全国の標準暦にしたいと気にかけていたとされるほか、徳川家康が用いていた記録も残されています。

この暦を作っていたのは、三嶋大社の社家「河合家」。暦は単なる日付表ではなく、月の満ち欠けや季節の移ろい、農作業の節目を“読む”ための道具でした。

三嶋大社から徒歩数分の河合家の家屋を改修して作られた「三嶋暦師の館」には、当時の暦や版木をはじめとする関連資料が大切に保存、展示されています。火山と水、農と祈りが密接に結びついたこの土地で、人々が自然のリズムを暦として受け取り、暮らしに下ろしていたことが静かに伝わってきます。

目に入るあらゆるものに、長い時間をかけて積み重なってきた目に見えない信仰の形が映し出されている。富士山と水の気配を感じながら境内に立つと、それを受け取っていま、ここにいられることへの感謝の気持ちが、自然に湧いてきました。

三嶋大社
御祭神
 大山祇命
 積羽八重事代主神

住所:静岡県三島市大宮町2-1-5
アクセス:
JR東海道新幹線、東海道線「三島駅」から徒歩約15分
伊豆箱根鉄道「三島田町駅」から徒歩約7分
東名高速道路「沼津IC」から約20分(有料駐車場あり)
三島駅からバスで10分
参拝時間:境内自由
授与所:8:30~16:30(平日)/17:00(土日祝)
福太郎茶屋:8:00~16:30(平日)/17:00(土日祝)

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