伊雑宮(いざわのみや)は伊勢神宮の別宮のひとつで、志摩の国に鎮座しています。
御祭神は天照大御神御魂。御田植祭で知られる神社です。
内宮から、伊雑宮まで足を伸ばしました。
駐車場から少し歩いて、鳥居をくぐると、空気が少し変わります。
大きな木々に囲まれた参道は静かで、森の中を歩くような感覚になります。
けれど境内のすぐ外には昔から続く街道があり、田んぼが広がっています。
森と里がすぐ隣り合うこの場所は、
伊勢神宮の中でも少し特別な空気を持つ神社です。
伊雑宮の御祭神は?
内宮(皇大神宮)から車で20分あまり、志摩の国に鎮座する伊雑宮は、古くから伊勢神宮と深い関わりを持つ14の重要な別宮のひとつです。
内宮から遠く離れているため、古くは「遙宮(とおのみや)」とも呼ばれてきました。
伊雑宮の御祭神は
天照大御神御魂(あまてらすおおみかみのみたま) 。
天照大神への朝夕のお供えものを奉る場所を求めて、倭姫命(やまとひめのみこと)の一行が訪れたとき、一羽の白真名鶴(しろまなづる)が見事な稲穂を落とし、その稲穂からこの御神田で天照大御神に供える米を作らせたと伝わります。この伝承にちなみ、伊雑宮が創建されたと伝えられています。
内宮や外宮ほど多くの参拝者が訪れる場所ではありませんが、そのぶん、境内には落ち着いた空気が流れています。
伊雑宮の御田植祭とは?
伊雑宮を語るうえで欠かせないのが、毎年6月24日に行われる 御田植祭(おたうえまつり)です。
「磯部の御神田(いそべのおみた)」の名で国の重要無形民俗文化財に登録され、地元ではおみたと呼ばれているそうです。千葉県の香取神宮、大阪の住吉大社と並び、日本三大田植祭の一つに数えられています。
この神事で特に印象的なのが、田の中央に立てられた青竹をめぐる儀式です。
志摩市観光協会のサイトによると、
御田の西側の畦に長さ11mほどの太い青竹一本が杭に縛って立てられ、竹の先端に大うちわ(ゴンバウチワ)がつけられる。
苗取りの儀式のあと、青竹を田の中央に倒すと、近郷の漁村の青年たちが下帯姿で竹を奪い合う。
その竹を持ち帰って船霊に祭り、大漁満足や海上安全を祈る信仰があるそうです。
農の神事でいただいた竹が、そのまま海での安全を祈るお守りになる。田んぼと海が近い志摩の土地らしい神事です。
伊雑宮 おすすめのお守りは?
伊雑宮は地元では「磯部の大神宮さん」と呼ばれ、志摩の漁業関係者の信仰が特に篤い神社です。漁師や海女さんは、海の安全や豊漁を祈る「磯守(いそまもり)」を受け、身につけて海に入る風習があるといわれています。
現在は一般の参拝客も、「海幸木守(かいこうきまもり)」という名前で、伊雑宮の宿衛屋で授かることができます。
海に携わる方には特におすすめのお守りです。御田植祭とあわせて見ると、伊雑宮が海と里の恵みを祈る神社でもあることがよくわかります。
伊雑宮の巾着楠とは?
境内で目を引くのが、巾着楠(きんちゃくくす) と呼ばれる大きな楠です。
幹の下が袋のようにふくらんだ形をしていて、その姿から「巾着楠」という名前がついたといわれています。
遠くから見ても存在感があり、思わず近づいて眺めていると、観光客と思われる女性グループの方々に「これは何か有名ないわれのある木なんですか?」と尋ねられました。うまく答えられず言葉に詰まってしまったのですが、そのくらい、歩道からは少し離れているのに、するすると人を引き寄せてしまう不思議なパワーを放っていました。
森に包まれた境内の静けさと、田んぼや海とつながる土地の営み。
伊雑宮には、伊勢神宮のもう一つの姿があるように感じました。
伊雑宮の基本情報
伊雑宮 御祭神 天照大御神御魂 住所:三重県志摩市磯部町上之郷374 アクセス: 近鉄「上之郷駅」下車徒歩5分。三重交通バス「川辺」バス停から徒歩10分 参拝時間:お守り等は宿衛屋にて頒布 10-12月 5:00-17:00 1-4月・9月 5:00-18:00 5-8月 5:00~19:00

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