鹿児島のパワースポットといわれる吾平山上陵とは?ご利益・見どころは? 蝶が舞う御陵の不思議な距離感

鹿児島

「鹿児島に行くなら、ここへ行くといい」。
知人にそうすすめられて、吾平山上陵(あいらのやまのうえのみささぎ)を訪ねました。

鹿児島県にある「神代三山陵」のひとつで、地元では「あいらさんりょう」と呼ばれています。
初代天皇・神武天皇の御父母君が眠ると伝わる、とても静かで神秘的な場所です。「陵墓参考地」として、宮内庁によって管理されています。鹿児島でも有数のパワースポットとして紹介されることの多い場所です。

参道に足を踏み入れると、森と水に包まれた空気が広がり、どこか伊勢神宮にも通じるような澄んだ気配を感じました。その雰囲気から「小伊勢」とも呼ばれているそうです。

今回は、この場所の由緒や見どころ、そして実際に感じたことをご紹介します。

吾平山上陵とは? 御祭神は?

吾平山上陵は、天照大御神の孫であるニニギノミコトから数えて三代目にあたる
鸕鷀草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)と、
その妃である玉依姫命(たまよりひめのみこと)の御陵です。

お二人の間に生まれたのが、後の初代天皇・神武天皇とされ、日本神話の流れの中でも重要な位置にあります。

ただ、その存在は神話の中でもどこか輪郭がはっきりしません。
神と人のあいだに生まれた存在とされ、大きく語られる以前の、まだ形になりきっていない領域に位置づけられているように感じられます。

この場所に立つと、そうした“始まりの手前”の気配が、そのまま残っているようでした。

吾平山上陵の見どころは?

入口から約500メートル続く参道を進むと、静かな森と姶良川のせせらぎに包まれます。

水辺に降りて手を清める場所や、苔むした石橋など、自然の中にそのまま祈りのかたちが残されているような道が続きます。確かに、伊勢神宮の清らかな水と空気が思い出されました。

歩いていると、鳥の声や水の音、風の気配が心身に染み込んできて、ただそこにいる感覚が強くなっていきます。

参道の先に見えてくる御陵は小さな鳥居の向こう、川を隔てた奥にあります。一般的な古墳とは異なり、ここは岩屋(洞窟)の中に築かれた御陵で、「鵜戸窟(うどのいわや)」と呼ばれる場所に静かに祀られています。

岩屋につづく橋から先は立ち入りができないので、川の手前から参拝します。

整えられた神社で感じる安心感とは少し違う、少し距離のある静けさ。それが、この場所のいちばんの特徴かもしれません。

吾平山上陵のご利益とは?

吾平山上陵は、縁結びや夫婦円満、安産などのご利益でも知られています。
御祭神が夫婦神であることから、家庭や人とのつながりに関わる願いで訪れる方も多いようです。

でも、実際にこの場所に立ってみると、ご利益という言葉をすっかり忘れてしまうような心地になりました。ちょうどお天気雨だったこともあり、ただ光の粒がきらきらと美しく、この場にいられること自体がありがたく、ほかには何も考えられない……そんな感じです。それ自体がご利益だったのかもしれません。

参道を進んでいるあいだ、一対の黄色い蝶が、ずっと私たちのそばを離れずにひらひらと飛んでいました。どこかへ行ってしまうわけでもなく、ひらひらと舞っては少し先にとどまり、また戻ってくる。ただ同じ時間の中にいるような、不思議な距離感でした。

吾平山上陵の御陵印とガイドさん

参拝の後には、管理事務所で御朱印ならぬ「御陵印」をいただくことができます。

事前にお願いすると、吾平山上陵の由緒や自然についてガイドさんの説明を受けながら、奥の岩屋の礼拝場所まで案内していただけるそうです。

次に訪れるときは、そこで伝えられる言葉と共にこの場所に向き合ってみたいと思いました。

吾平山上陵へのアクセス

吾平山上陵
 鸕鷀草葺不合尊と玉依姫命の御陵

住所:鹿屋市鹿屋市吾平町上名5250-1
開門時間:8:30-17:00
アクセス:垂水フェリーターミナルから約1時間
       大隅縦貫道・笠之原ICから約25分
吾平山上陵ガイド予約:0994-58-7257(吾平総合支所)

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