井草八幡宮はなんの神様? ご利益は? 武蔵野の森と水脈が残るパワースポット

東京

日曜日、井草八幡宮にお参りしました。

車で近くの青梅街道を通ることがあるたびに、北参道入口の大きな赤い灯籠と赤い鳥居、何より、大きな鎮守の森が気になっていたのです。

鳥居をくぐり、参道を歩き始めると、すぐに空気の密度が変わりました。
明るくて気持ちのよい空間が、まっすぐ先へ続いています。

敷地の広さは1万坪、都内で4番目に大きい規模といわれます。一度途中で曲がって本殿に近づいていくと、お囃子の音が聞こえてきました。お祭りかな? と思いながら進みます。

井草八幡宮とは?

井草八幡宮の創建年代は非常に古く、社伝では平安時代以前とも伝わります。

公式サイトによると、もとは春日社を祀る場所でしたが、1189年、源頼朝が奥州征伐の際に戦勝祈願をしたことから、八幡神を祀るようになったと伝わります。熱田神宮や明治神宮などと同じく、歴史や由緒、規模などの基準をもとに、神社本庁から人事などにおいて特別な扱いを受ける「別表神社」に指定されています。

現在も長さ200メートルの東参道では5年に一度、流鏑馬神事が行われています。

井草八幡宮はなんの神様?

井草八幡宮の御祭神は、源頼朝が崇敬していた戦いの神様である八幡大神(やはたのおほかみ=応神天皇)です。でも訪れてみると、八幡宮にはとてもたくさんの境内社がありました。

手水舎で手と口を清めたら、まずはその右奥にある、祓戸神社に参拝しました。
御祭神は、祓戸大神と須佐之男命。

祓戸大神とは、人の罪や穢れを川から大海原へ、さらに地底世界へ、そしてそれを消滅させ、祓い清めてくれるとされる四柱の神様の総称です。出雲大社や大神神社などをはじめ、多くの神社で祀られています。この参拝の始まりの部分だけでも、古くから大切にされてきた神社なのだと感じました。

その隣にある三宮神社には天照大御神・春日大神(創建時の御祭神)・天満天神が祀られています。

社殿に向かって左側にある三峰神社の御祭神は伊邪那岐命・伊邪那美命。

北参道入り口の近くには、入れませんが富士塚もあり、浅間神社には木花咲耶姫が祀られていました。

井草八幡宮のご利益は?

井草八幡宮のご利益は、厄除け・開運のほか、とくに応神天皇への武士の信仰が篤かったという歴史から、勝負運や仕事運、満願成就などを願う方が多く訪れるそうです。とはいえ境内はすっきりと明るく広い空間が開けていて、あまり「戦いの神様」という空気は感じません。

八幡神は、武運長久・厄除け・家内安全・安産・開運などのご利益で知られます。

でも井草八幡宮の場合は「勝負運」より、呼吸が深くなる、気持ちが静かになる、森に包まれる感覚のほうをご利益として参拝する方が多いのではないか、という気がします。ちょうどお宮参りの3世代のご家族が神門の前で、今はあまり見かけない三脚を立て、並んで記念撮影をされていたのも、象徴的に感じました。

井草八幡宮が気持ちいい理由は?

井草八幡宮の参道では背の高い木に手をつけて祈っている方もいました。その濃い森の空気が、境内に入った瞬間、すっと変わるのです。敷地面積は都内の神社としてはかなり大きいはずなのに、境内に入ると威圧感より、空間の広がりのほうに気持ちがほぐれていきました。

すぐ近くには、杉並の大宮八幡宮に流れていく善福寺川が流れています。

もともとは、この地域一帯の水源や湧水地と深く結びついた古い信仰の場所だったと考えられています。このあたりは、善福寺池などの水系ともつながる、武蔵野の水ゆかりの土地です。だから森だけではなく、“水辺の鎮守”の気配もあります。

井草八幡宮が気持ちいい理由は、実はここも大きい気がします。

井草八幡宮のお囃子の音は…

さて、境内に入ってからもずっと聞こえていたのは、やはりお囃子でした。

音が流れてくる方を見ると、1813(文化10)年に建てられたという元拝殿(招神殿)の中で、6、7人の子どもが先生の指導のもと、練習をしているようです。

社務所で聞くと、9月30日(宵宮)と10月1日に開かれる例大祭の準備とのこと。まだ4カ月以上先のことでした。地域の人にとって、この場所がどれほど大事なものかが伝わってきました。

この緑豊かな開かれた空気は、どこか杉並の大宮八幡宮にも似ている気がしました。縄文時代の遺跡があり、水辺とともに古くから人が暮らしてきた土地。武蔵野の神社は、森だけではなく、その下を流れる水の記憶でもつながっているのかもしれません。

そんなことを思いながら、帰りは西荻窪駅近くの大好きな食堂バルタザールまで、よく晴れた春の風の中をのんびり歩きました。

井草八幡宮
 御祭神 
  応神天皇

住所:東京都杉並区善福寺1-33-1
アクセス: JR中央線・東京メトロ丸ノ内線「荻窪駅」北口より徒歩約20分、
     または西武バス「八幡宮」停留所下車
参拝時間:5:00-18:30/社務所 9:00~16:30、いずれも月ごとに変更

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