石上神宮の七支刀とは? 御祭神は? ご利益は? おすすめの最強のお守りを買えなかった理由

神社

奈良の石上神宮の御神域に入った瞬間、空気が一段、張りつめるのを感じました。静かで、澄んでいて、やさしいのに気が抜けない。一度体験すると、忘れられなくなる。

なぜ、忘れられなくなるのか。その理由の一つが、石上神宮にある「七支刀」という名前のご神刀です。NHKでも最近特集された、この七支刀とは? たくさんの御祭神のお名前をあらためて味わいながら、石上神宮の魅力を探ります。

石上神宮とは?

石上神宮は日本最古の神社の一つで、日本書紀と古事記の両方に実名で登場するのは、石上神宮と伊勢神宮だけとされています。

しかも、そこではすでに「神宝を収める場所」として語られています。 神社というよりも、国の武器や神宝をおさめる真の中枢、という方が近いのかもしれません。

石上神宮は、こうした武器の生産や管理、祭祀を司っていた有力豪族、「物部氏」の総氏神としてはじまりました。武と祭祀を同時にになった一族の気配が、この場所にはいまも色濃く残っています。

その後、第72代白河天皇が、永保元年(1081)に、鎮魂祭のために、宮中にあった神嘉殿を寄進されたものが現在の拝殿と伝えられ、現存する最古の拝殿として、国宝に指定されています。 約950年前の建築です。

それだけでもたいへんなことですが、当然、話はそれでは終わりません。

かつては本殿がなく、拝殿後方の禁足地(きんそくち)そのものが、祀る場所でした。明治7年(1874)、この禁足地でたくさんの財宝と一緒に発掘された御神体を祀るため、大正2年(1913)に御本殿が造営されました。禁足地はいまも「布留社」と刻まれた剣先状の石瑞垣で囲まれ、昔の佇まいを残しています。

石上神宮の御祭神は?

石上神宮の御祭神は、三神を総じて石上大神(いそのかみのおおかみ)。公式HPによると、特徴的なのは、神剣や神宝に宿る力そのものが祀られている点です。

布都御魂大神(ふつのみたまのおおかみ)
古事記・日本書紀に登場する武甕雷神(たけみかづちのかみ)の神剣「韴霊(ふつのみたま)」に宿る御霊威。

布留御魂大神(ふるのみたまのおおかみ)
饒速日命(にぎはやひのみこと)が天津神から授かったとされる十種の神宝「天璽十種瑞宝(あまつしるしとくさのみづのたから)」に宿る御霊威。

布都斯魂大神(ふつしみたまのおおかみ)
素戔嗚尊(すさのおのみこと)がヤマタノオロチ退治に用いた「天十握剣(あめのとつかのつるぎ)」に宿る御霊威。

古事記には、この「韴霊剣」が「石上神宮に祀られている」と記載されていて、明治期に禁足地から発掘された御神体が、この韴霊剣であるとされています。石上神宮が神話の中にとどまらず、ここにあるものとして残り続けてきた。その力に圧倒されます。

石上神宮の七支刀(しちしとう)とは?

石上神宮の神剣や神宝に宿る力が、物語だけではなく「もの」として残っていること。それを最も端的にあらわしているのが、石上神宮に伝わる七支刀です。

昭和28年指定の国宝で、実物を見る機会はほぼありませんが、銘文解釈では西暦369年に製作されたとされています。全長74.8センチ、身の左右に各3本の枝刃が段違いに造り出され、剣身に金象嵌の銘文が記されている鉄製の剣です。 『日本書紀』に神功皇后摂政52年に百済から贈られた「七枝刀(ななつさやのたち)」にあたると推測されています。

実際の戦というよりは、祭祀用の形。石上神宮には他にもさまざまな御神剣が祀られていますが、あの場所に張りつめた澄んだ緊張感は、武器と祭祀が一緒にそのまま残っている、そのままの空気なのだということがよくわかりました。

石上神宮のご利益は?

石上神宮は、健康長寿・病気平癒・除災招福・百事成就の守護神として信仰されてきました。

神話では、ふつ=物を切り裂く音に由来し、御霊験として起死回生、邪気退散、勝利の神徳を持つとされています。国を鎮めるほか、秩序を切り替える、“決着をつける”局面で現れる、必要のないものとの縁をばっさりと離してくれるという意味もあるそうです。

確かに、三神に共通しているのは、こちらの祈りを受け取る神というより、神剣や神宝の御霊威として、分かる、分ける、転換の局面に立ち会う神であることです。お願いごとをするというより、その覚悟を問われる場所、という感じがします。

石上神宮 おすすめの最強のお守りを買えなかった理由

石上神宮のお守りといえば、七支刀の絵が入った御神劔守(ごしんけんまもり)がよく知られています。 毎年6月30日に開かれる御祭事「神剣渡御祭」で神剣を覆う錦劔袋の形をしていて、朱色と黒色があります。毎月1日には限定で「白の御神剣守」が授与されます。

起死回生や百事成就・除災招福・無事息災のご利益があり、厄除けの力、迷いを断ち切る力が強いとされています。

このお守り、私も授与所で拝見したのですが、まさにその時、起死回生だった状況を引き受けられないでいた自分には、まさに最強の佇まいがきりっと美し過ぎて……手に取る覚悟ができませんでした。

また呼ばれる機会を待ちながら、あの空気を思い起こしながら過ごしています。

石上神宮
御祭神
 布都御魂大神
 布留御魂大神
 布都斯魂大神

住所:奈良県天理市布留町384
アクセス:JR/近鉄 天理駅下車 徒歩約30分
または奈良交通バス 石上神宮前下車 徒歩約5分
開門時間:5:30-17:30までは、拝殿正面でお参り可能(季節により変更)
ご祈祷受付・授与所は9:00-17:00(冬期は16:30まで)

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