池尻大橋の駅から玉川通りを渋谷方向へ5分。首都高の高架と車の流れのすぐ脇に、ふいに石段が現れます。
数えると約52段。かなり急です。上りきって振り返ると、さっきまで歩いていた通りと街並みが足元に広がっていました。
車の音が少し遠くなる、この高さ。上目黒氷川神社は、そういう場所に建っています。
上目黒氷川神社の茅の輪くぐり
伺ったのは6月30日、夏越の祓の日。やや蒸し暑い夕方でした。
不思議なことに、夕暮れどきで最初は静かだった境内が、少しずつにぎわっていきました。茅の輪くぐりの列、参拝の列、御朱印待ちの列。仕事帰り風の人たちも、次々に現れては列に並びます。
浴衣姿の方も現れて、お祭りかと思ったら、大祓の御神事に参加される方々でした。
一緒になって茅の輪をくぐると、お祭り気分が増してきました。
1年の前半を無事に終えて、みんなで輪をくぐっている。それだけで、ずいぶん幸せな気持ちになります。
地元のおやじさん風の男性が、女の人にくぐり方を教えていたり、なんだか都心にいることを忘れるような、ほがらかでのんびりした空気がありました。
上目黒氷川神社とは?
上目黒氷川神社の御祭神は、
素盞嗚尊(すさのおのみこと)・天照大御神・菅原道真の三柱です。
天正年間(1573年頃)、甲州武田家の家臣だった加藤氏が、上野原から産土の大神をこの地に迎えたのが始まりと伝わります。当時から「この神の氏子は疫病知らず」と言い伝えられ、今も「悪疫撤退の神様」として親しまれています。
急な石段も、もとは文化13年(1816年)に造られたものが、明治38年の大山街道(今の玉川通り)拡幅にあわせて、現在の急勾配に改修されたのだそうです。
石段の下には、天保13年の大山道(おおやまみち)の道標も残っています。江戸時代、相模国の大山阿夫利神社まで人々が参拝に通った道の名残りだと知り、急に当時が身近に感じられました。
上目黒氷川神社に「目黒富士」が?
石段の左手、神社と交番の間に「目黒富士登山口」があります。
後日、あらためてこの登山道から参拝してみました。
首都高に面した国道沿いの登山口を登り始めると、あっという間に境内へ登頂成功です。
登山道は昭和50年頃、当時の氏子総代の方々が「より富士山を登っている感覚が味わえるように」と造ったもので、毎年7月1日の山開きには氏子の方々が登山道を登り、浅間神社の例大祭が行われています。
山道なのに、段数は正面の急な石段とそう変わりません。
頂上には、小さな富士山の飾られた遥拝所がありました。
境内の目黒富士浅間神社は、目切坂にあった「元富士」(文化9年に富士講の人々が築いた高さ12mの富士塚)を明治11年に遷したもの。御祭神は木花咲耶姫命、鎮火と安産の神様です。
目黒富士浅間神社は本殿の右側奥に、稲荷神社が左側に鎮座されています。
上目黒氷川神社の御朱印、なぜ人気?
上目黒氷川神社で人気なのが、季節ごとに変わるカラフルな御朱印です。特に目黒川の桜まつりの季節は、桜の御朱印帳に桜模様が入った御朱印をいただくための列が伸びることでも知られます。
社頭で配布されている神社通信「ひいかわ」第46号(令和8年7月発行)に、夏の御朱印情報がまとまっていました。
- 夏詣御朱印(境内3社:氷川神社・目黒富士浅間神社・稲荷神社):~8月21日
- 例大祭特別御朱印(ひまわり御朱印):8月22日(土)・23日(日)
- 夏詣例大祭御朱印(夏詣印+「例大祭」の短冊入り):同上
- 開運三社めぐり(天祖神社・磐井神社・上目黒氷川神社):8月~10月
- 東急線花御朱印めぐり:〜令和9年3月31日
そして通信の隅に、小さく予告がひとつ。
「令和八年八月八日 特別御朱印」。詳細は決まり次第SNS等で案内とのこと。八並びの日付は御朱印帳の中でも特別な一枚になりそうです。
昨年のインスタグラムをみたら、同じように令和七年七月七日の御朱印がありましたが、確かに八が並ぶと、さらにめでたい感じで気になります。
上目黒氷川神社のアイドルに会えた!
その日の境内には、かわいい黒柴犬のかえでちゃんがいました。
上目黒氷川神社の人気者で、「いま出勤したばかりなんですよ」と社務所の方が教えてくれます。
きれいな目と、かわいい笑顔。この子に会いたくて通う人がいる、というのがよくわかります。

社務所の方々のかわいがりようも伝わってきて、神社はもともと、こうして地域の人が一息つく場でもあったんだな――それがよくわかる神社です。
すっかり気持ちがほがらかになり、スサノオノミコトのパワーもいただいて、ほくほくと急な階段を降りました。
参拝のあとは、池尻大橋駅近くの商店街沿いのカフェ「nova」へ。おしゃれなのに気さくなお店で、いつもアサイーとタコスに憧れつつ、この日も混んでいたのでコーヒーをテイクアウト。そのまま目黒川沿いをのんびり中目黒駅まで歩きました。
神社で半年分の区切りをつけて、川沿いでひと息。この距離感も魅力です。
元気になりたい時に、とてもおすすめしたい神社です。
例大祭は8月22日・23日
2026年の上目黒氷川神社例大祭は8月22日(土)・23日(日)。これも多くの人で賑わうそうです。地元の方々と一緒に楽しむお祭りとして、そして、かえでちゃんに会いに、ぜひお出かけになってみてください。
上目黒氷川神社 御祭神 素盞嗚尊 天照大御神 菅原道真 住所:東京都目黒区大橋2-16-21 アクセス:東急田園都市線「池尻大橋」北口から徒歩5分 東急東横線「中目黒駅」より徒歩約15分 開門時間:参拝自由 社務所は8:00-17:00 御朱印・ご祈祷は9:00-16:30

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