丹生都比売神社(にうつひめじんじゃ)にお参りしました。
丹生都比売神社は、高野山と深い関係を持ち、「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として世界遺産に登録されている紀伊国一之宮です。
淀殿が奉納したと伝わる輪橋と水に守られた境内は、朱色の建築が森の緑に映え、極楽浄土はこんなところかもしれないと思うような、やわらかな静けさと光に満ちていました。
今回は、その魅力とご利益、参拝のポイントをご紹介します。
丹生都比売神社とは?
丹生都比売神社の鳥居をくぐると、ふっと空気が変わります。
まず目に入るのは、朱色の楼門と広々とした境内。大きな杉の御神木が並び立ちながらも、森に閉じ込められるような圧迫感はなく、どこか開けた明るさがあります。その中で、朱色がいっそう光を放っているように見えました。
輪橋へと進むにつれて、なんとも言えない穏やかな幸福感に包まれます。水面に映る橋の姿も美しく、まるで境界を超えていくような感覚になりました。
丹生都比売神社の御祭神は?
奥へ進むと、赤い楼門越しに四つの社殿が並びます。
「四社明神」とも呼ばれ、以下四柱の神々が祀られています。
第一殿:丹生都比売大神(にうつひめのおおかみ)
天照大御神の妹神とされ、魔除けの力を持つ「丹(に)」を司る女神。
災厄を祓い、農耕や機織を広めたと伝えられています。
第二殿:高野御子大神(たかのみこのおおかみ)
丹生都比売大神の御子神。白と黒の犬を連れた狩人として弘法大師を導いたとされ、「導きの神」「みちひらきの神」として信仰されています。
第三殿:大食都比売大神(おおげつひめのおおかみ)
農業と食物を司る女神。越前の気比神宮から勧請されました。
第四殿:市杵島比売大神(いちきしまひめのおおかみ)
航海、財運、芸能を司る女神(弁財天)。安芸の厳島神社から勧請されました。
丹生都比売神社のご利益は?
丹生都比売大神は、古来魔除けとされる丹(赤)を司る女神として、厄除け・災難除けのご利益で知られています。
その背景には、高野山との深い関係があります。
神代の昔、丹生都比売大神が自らの神領であった高野山の地を弘法大師へ授けたと伝えられています。以来、丹生都比売神社は高野山の総鎮守、真言密教の守護神となりました。
これが神と仏が共にある、日本の祈りのすがたの源泉となったのです
というホームページの言葉が、ご神徳そのままのように感じます。
空海を導いた伝承から、開運・良縁、またペットの守護や安産祈願など、幅広い信仰を集めています。
また「丹」の色は女性を守る色ともされ、北条政子や淀殿など、歴史上の女性たちからも篤く崇敬されてきました。
丹生都比売神社の見どころは?
参拝後にぜひ足を運びたいのが、境内の左手奥のエリアです。
佐波神社のさらに奥へ進むと、小さな礎石や石碑が点在しています。そこでは、数人の方々が静かに祈りを捧げていました。
案内によると、このエリアには
・吉野の大峯へ入峯する修験者による「大峯修験者の碑」
・梵字の光明真言が刻まれた「光明真言蛮碑」
・修験道の開祖・役行者を祀る「脇ノ宿石厨子」
などが残されています。
この場所に立つと、境内のやわらかな空気が、さらに深くなるように感じられました。整えられた参拝の空間というよりも、神道・仏教・修験道が重なり、長い時間をかけて祈りが重なってきた場所。
強い力があるわけではないのに、ただそこにいることが自然に許されているような静けさがあります。しばらくその場を離れられませんでした。
丹生都比売神社は、何かを強く変える場所ではありません。少しずつ整えられるうちに、すでに迎えられていることに気づく……そんな場所でした。
丹生都比売神社の春のお祭り 「花盛祭」
毎年4月に行われる「花盛祭(はなもりさい)」は、丹の女神に花を捧げ、春の訪れを祝うお祭りです。
2026年は4月12日に開催されました。
午前10時に、神恩感謝や所願成就を祈念する特別祈祷がおこなわれ、午後1時30分には、猿田彦(天狗)を先頭に、装束をまとった人々の行列(渡御の儀)が里を練り歩きます。これは中世に和歌浦の玉津島神社へ神輿が渡御した、「浜降り神事」を再現しているそう。午後3時半には、名物の餅まきが盛大に行われます。
いつか、この季節にも訪れてみたいです。
丹生都比売神社 御祭神 丹生都比売大神 高野御子大神 大食都比売大神 市杵島比売大神 住所:和歌山県伊都郡かつらぎ町上天野230 アクセス:JR和歌山線 笠田駅より 町コミュニティバスで30分 開門時間:8:45-16:30(ご祈祷受付)(

コメント