天河神社(天河大辨財天社)は呼ばれた人しか行けない? 五十鈴のご利益と人気おみくじ「神占」とは?


神社

奈良の山奥に佇み、「呼ばれた人しかたどり着けない」と言われる天河神社(天河大辨財天社)に行ってきました。大人気の場所だけあって参拝の方々の熱気はすごいものの、拝殿に入ると空気が急に変わります。長くこの地を守り続けてきた人々のまっすぐな祈りを感じるーーそんな神社でした。今回はその魅力と、人気のおみくじについて、味わい方をご紹介します。

天河神社は「呼ばれた人しか行けない」って本当?

「天河神社は、呼ばれた人しか行けない」。

この言葉は何度も聞いていました。私が最初に天河神社を知ったのは、細野晴臣さんが奉納演奏をされたというたぶん30年以上前のニュース。それから長い年月を経てたどりついたことを思うと、「ようやく順番が来たのかもしれない」と、車窓から見える山深く美しい景色を眺めながら、じんわりと気持ちが温かくなってきます。

天河神社のご利益は?

天河神社は、吉野と熊野と高野山を結ぶ三角形の中心に位置し、修験道の聖地・大峯山の行場でもある、古くからの神仏習合の地です。

正式名称は「天河大辨財天社」。お祀りしているのは市杵島姫命(いちきしまひめのみこと/弁財天)を中心に、熊野権現(本地仏:阿弥陀如来)、吉野権現(同:蔵王権現)です。

水・弁舌・才智・音楽・芸術・芸能・財宝と幅広いご利益で知られます。中でも芸能、芸事との縁は深く、南北朝から室町前期に作られ、世阿弥も用いたとされる能面や能装束が奉納されています。さらに細野晴臣さんが天河神社を「精神世界の六本木」と表現したことも手伝い、芸能関係者が多く訪れるようになりました(この一言だけで当時の空気感を伝えてしまうところが、さすが…と感じます)。

天河神社の拝殿にある五十鈴とは?

そんな話からあっという間に時が流れ……ついに天河神社にたどり着いたのは、平日の朝8時でした。社務所が開く時間でしたが、すでにそこには行列がありました。境内には嬉しそうにあちこちで手を合わせる観光的な方から、長髪のミュージシャン風の男性、白い装束の方などなど、まさに“呼ばれた”方々がたくさん集まっているようです。

まず目に入ったのはいろいろな注意書きでした。祈祷は2日前までに予約することや、限定のお守りの頒布個数、撮影禁止事項などなど。たくさんの参拝者を受け入れてきた大変さと誠実さが伝わってきます。

拝殿に入るとヒーリングミュージックが流れ、照明も工夫され、神楽殿も美しく現代的です。でもお参りの順番が来たその瞬間、急に空気が変わりました。

とくに象徴的なのが、拝殿の五十鈴です。

三つの球形の鈴が三角形に重なる独特の形をしています。公式サイトによれば、

「天照大御神が天岩屋戸にこもられたとき、天宇受売命(あめのうずめのみこと)が、ちまきの矛(神代鈴をつけた矛)をもって、岩屋戸の前にて舞を舞われ、神の御神力と御稜威をこい願われたことによって、岩屋戸が開かれ、天地とともに明るく照りかがやいた」

というお話に出てくる神代鈴と同様のものとされています。三つの鈴はそれぞれ、「いくむすび」「たるむすび」「たまめむすび」と呼ばれ、魂の進化にとって重要な三つの魂の状態(みむすびの精神)を表しています。

これを鳴らすのが本当に難しいです。手前に回すように、というアドバイス通りにやってみましたが、重さもあり、ゴロゴロと途切れがち。なかなかいい音にはなりませんでした。まわりの参拝者もちゃんと音が出ていた方はごくわずか。これをちゃんと身につけるのはまだ時間が必要そうです。自分のあり方は、所作と響きに出るんだな、と妙に納得しました。

天河神社のおみくじ「神占」は当たる?

お守り以上に列ができていたのが、おみくじ「天河神社神占」でした。一般のおみくじよりは大きめの和紙に墨字が刷られた、昔ながらの形が守られています。凶が多いという噂でしたが、いただいたのは六十二番の「吉」でした。中身は言葉も字体も昔のままで、一部読めないところもありますが、内容はとても祝福に満ちていました。

天神大命以(アマツカミオホミコトモチ)
出雲在杵築宮(イヅモナルキヅキノミヤ)
者造良芹来(ハツクラセリケリ)

解説には、

これハ上の恵みを得て老後をたのしむのうらかたなり 身の上一代栄えるのみならず子孫しんぞくの末々までもうれひなし……

ーーありがたさとやさしさあふれる、めでたい恵みのシャワーを浴びたようです。

そして不思議なことに、その30分後に、新しい仕事のお知らせが届きました。拝殿で受け取った、よい響きの波紋がそのまま広がっているように感じたのでした。

天河神社(大峯本宮 天河大辨財天社)

御祭神
 市杵島姫命(辨財天)
 熊野坐大神
 吉野坐大神
 南朝四代天皇の御霊
 神代天之御中主神より百柱の神

住所:奈良県吉野郡天川村坪内107
アクセス: 近鉄吉野線「下市口駅」から
 奈良交通の路線バス「中庵住(なかいおずみ)行」で約1時間
 「天河大弁財天社」下車すぐ。
 車だと大阪市内・奈良市内から約2時間(駐車場あり)

開門時間: 朝拝 午前720分頃から
      ご祈祷受付 9:0015:002日前までに要予約)

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