出雲大社東京分祠に参拝しました。
近日中に、島根の出雲大社へお参りすることになりました。
せっかく出雲へ向かうのなら、その前に東京でご挨拶したい。そう思って最初に向かったのが、六本木にある出雲大社東京分祠でした。
朝の六本木は、前夜のにぎわいが少し落ち着き、街がこれから一日を始めようとしている時間。
駅から歩いて3分ほどで目的のビルの前に着くと、まだ参拝者の姿も多くありませんでした。
階段を上がり、3階へ。
島根の出雲大社とはまったく違う風景の中にありながら階段を上がり切ると、そこには確かに、出雲へつながる入口のような静かな空気がありました。
ここでは、出雲大社東京分祠の御祭神と由緒、そして6月の今だからこそ訪れたい理由をご紹介します。
出雲大社東京分祠とは?
出雲大社東京分祠は、島根県にある出雲大社の御祭神・大国主大神の御分霊をお祀りする、都内唯一の分祠です。分霊とは、神様の御神霊を分けてお祀りすること。御神徳は本社の御霊と変わらないとされています。
創設は1878年、明治11年1月11日。
出雲大社第80代国造であり、出雲大社教の初代管長でもある千家尊福によって設けられました。
公式サイトによれば、始まりは、東京および東日本への御神徳宣揚のため、神田神社の社務所内に置かれた「東京出張所」だったそうです。
その後、1883年に麹町へ移り、「出雲大社東京分祠」として神殿を建立。1889年には、現在の六本木の地に遷座されました。さらに、明治政府の宗教政策や、戦後の制度変更を経て、再び出雲大社に復帰した歴史があります。
こうした流れを少し知るだけでも、東京にいながら出雲大社の神様にご挨拶できる場が、長い時間をかけて守られてきたことが伝わってきます。
六本木という都会の真ん中にありながら、ここは確かに「東京の出雲」なのだと感じました。
出雲大社東京分祠の御祭神は?
出雲大社東京分祠の御祭神は、大国主大神です。
大国主大神は、縁結びの神様として知られ、「だいこくさま」としても親しまれている福の神です。公式サイトには、こうもありました。
国土を開拓され、国づくり、村づくりに御苦心になり、農耕・漁業をすすめ、殖産の法をお教えになり、人々の生活の基礎を固めた神
医薬の道をお始めになって、今もなお人々の病苦をお救いになる等、慈愛ある御心を寄せて下さった救いの親神
すべてのものが「おのずから」の姿にあるように護って下さる親神
人との縁。仕事との縁。土地との縁。
そして、自分が進んでいく道との縁 ーーまさに、「おのずから」の姿に戻って人生を育てていくための、さまざまな縁を結んでくださる神様。
そう思うと、出雲へ向かう前に、まず東京で大国主大神にご挨拶できることが、とてもありがたく感じられました。
出雲大社東京分祠の参拝方法
出雲大社東京分祠では、島根の出雲大社と同じく、独特の作法で参拝します。
一般的な神社では「二拝二拍手一拝」ですが、出雲大社では、二拝四拍手一拝(二度深くお辞儀をし、四回拍手を打ち、最後にもう一度深くお辞儀)します。
参拝の流れとしては、まず手水舎で身を清めます。
その後、拝殿へ向かう前に、左手にある「祓社」へ。
祓社では、「祓い給え、清め給え」と三回唱え、心身を祓い清めてから、中央の拝殿へ進むのがよいとされています。
この祓社の社殿には、少し特別な由緒があります。
もとは実践女学園内にあった「香雪神社」の社殿で、女子教育の先覚者である下田歌子が祀られていました。
戦後、香雪神社は廃祀となりましたが、1961年に社殿が出雲大社東京分祠へ移され、現在は祓社としてお祀りされています。社殿に残る彫刻も、ぜひ見ておきたいところです。
6月30日までの「解除所」へ。夏越の大祓の前に整える
今回、参拝して特に印象に残ったのが、祓社の奥に設けられていた「解除所」です。
出雲大社東京分祠では、6月末に夏越の大祓が執り行われます。
解除所は、その大祓の祭典に参列できない方も、自分自身で半年間の罪穢れを祓い、本来の元気を取り戻すために設けられている場所です。
夏越の大祓は、6月30日に行われる節目の神事。
一年の前半を過ごす中で、知らず知らずのうちに身についた罪穢れを祓い、後半を清らかに迎えるための祈りです。
私が伺った時も、人形が用意されていました。
紙でできた人の形に自分の名前を書き、体を撫でるようにして、自分の罪穢れを移します。
そして、祓いの作法を行い、最後に人形を社務所へ納めます。文字にすると少し難しく感じるかもしれませんが、現地には案内があり、その通りに進めれば大丈夫でした。
1年の折り返しの時に、身を整え、心を整える。
6月に出雲大社東京分祠を訪れる意味は、ここにもあるのだと思います。
東京分祠から出雲へ。いただいたおみくじのメッセージ
お参りの後、おみくじをいただきました。吉凶はなく、訓と運勢と判断が書かれたものです。
「人の短所を言うなかれ。己の長所を説くなかれ」という訓のとなり、運勢の欄には以下のようにありました。
本年は、運気開発の年にあたり、多少の辛苦はあるも末は吉となる。和譲は財を生じ、争いは貧乏の種と心得て、柔順温和にして奮励すれば幸運に結ばれる。信心を怠るな。
柔順温和にして奮励。むずかしいことですが、見守られているようなメッセージ。自分がいま暮らし、働き、迷いながら進んでいる場所から、出雲へ向かう橋がかかったような気持ちになりました。
遠くの聖地へ行く前に、今いる場所で扉を開く。六本木の出雲大社東京分祠は、そんな場所でした。
そして、そのあともう一か所、行っておきたい場所がありました。
神田神社です。神田神社の一之宮に祀られている大己貴命は、大国主命の別名です。
そして、出雲大社東京分祠が最初に置かれた場所でもありました。(つづく)
出雲大社東京分祠へのアクセス
出雲大社東京分祠(いずもおおやしろ とうきょうぶんし) 御祭神 大国主大神 住所:東京都港区六本木7-18-5 アクセス:地下鉄東京メトロ日比谷線・都営地下鉄大江戸線 六本木駅より徒歩数分 渋谷駅より都01新橋駅行きバス 六本木停留所下車 参拝時間: 9:00-17:00

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