東海道線・二宮駅近くの吾妻神社を訪ねて不思議に思ったことがありました。歴史ある吾妻神社には授与所がなく、御朱印や授与品は、近くの川勾神社でいただけるという案内があったのです。
でも、実際に行ってみてわかりました。
川勾神社は相模国二之宮。そして「二宮」という町名も、この神社が二之宮であることに由来していると伝えられています。
吾妻神社から歩いて向かった川勾神社は、その名の通り、二宮という土地の中心にご挨拶するような場所でした。境内にはやわらかな風が吹きわたり、参拝した後、不思議と気持ちが整っていくのを感じました。
今回は吾妻神社からも足を延ばしやすい川勾神社の御祭神、見どころをご紹介します。
川勾神社とは?
川勾神社へは、吾妻神社から徒歩15分ほどで着きます。
平日の午前中、吾妻神社の昔ながらの参道を降りて国道に出ると、海が近い町らしいのんびりとした空気が流れていました。頭上にはとんびが舞い、道には地域の施設の送迎バスが行き交っています。
道端には道祖神が次々と現れ、観光地を移動しているというより、暮らしの中に残る歴史を訪ねていくような道のりでした。
しばらく歩くと、川勾神社の入口を示す看板が見えてきます。
川勾神社は、古くから二宮大明神、または二宮明神社とも称されてきた神社です。御由緒には、二宮町の町名は、川勾神社が相模国の二之宮であることに由来すると記されています。
つまり二宮は、単なる駅名や自治体名ではなく、相模国の「二之宮」の町。地名そのものに、神社の記憶が残る町なのです。
創建は約2000年前、第11代垂仁天皇の時代にさかのぼると伝えられています。延長5年(927年)にまとめられた「延喜式」の神名帳(じんみょうちょう)(全国の神社一覧)にも相模国13社の一つとして記載される古社です。その後も、源頼朝や徳川家康の篤い崇敬を受けてきました。公式サイトによれば、宮司の二見家は現在まで41代・1200年続いているそうです。
茅葺き屋根の神門をくぐると、背の高い御神木が見えて、とたんに空が高くなったような感じがしました。境内は約2,000坪あり、森に囲まれています。
入ってすぐに、社蔵の宝物についての小さな看板がありました。
奈良時代と推定される、田植え時に苗を運ぶ「田舟」、初代宮司が伊勢二見浦から携えたと伝わる「雨乞い神事の網石」、茅葺き屋根の神門、平安後期のものとされる「随神像」、伊藤博文筆の額。一つひとつの宝物から、この神社が地域の信仰と暮らしの中で大切に守られてきたことが感じられました。
川勾神社はなんの神様?
川勾神社の御祭神は5柱、
大名貴命 (おおなむじのみこと):国土開拓の神
大物忌命 (おおものいみのみこと):殖産興業の神
級津彦命 (しなつひこのみこと):風の神(息吹の神)
級津姫命 (しなつひめのみこと):風の神(級津彦命の妃神)
衣通姫命 (そとおりひめのみこと):安産守護の神
主祭神である級津彦命は、伊勢神宮内宮別宮である「風日祈宮」と外宮別宮である「風宮」に祀られている級長津彦命であり、風雨を司る神様です。『古事記』では志那都比古神、『日本書紀』では級長津彦命と記され、伊弉諾尊の息吹から生まれた風神とも伝えられます。
川勾神社でおすすめの御朱印は? お守りは?
川勾神社では、川勾神社の御朱印のほか、吾妻神社の御朱印もいただくことができます。吾妻神社には授与所がないため、御朱印や授与品は川勾神社で、という案内がありました。限定の木製のお札に書かれた御朱印をいただきました。
参拝のあと、本殿のまわりの西五社と奥の拝殿、東五社とを参拝して本殿に戻ると、とても柔らかくて気持ちのいい風が流れてきました。思わず授与所で「気持ちのいい風ですね」と言うと、社務所の方が「風の神様ですからね」と、風のお守りを教えてくださいました。丸い形をした、美しいお守りです。美しい白い蛇の模様がついた金運上昇の白蛇守もいただいて帰りました。
目に見えないけれど、木々を揺らし、雲を動かし、場の空気を変えていく。気持ちの良い風に吹かれながら、この町が海と山のあいだで風にひらかれてきた場所であることを感じました。
二宮という町にご挨拶できたような気持ちになり、バスに乗って二宮駅まで戻りました。
参拝してから、ずっと柔らかな風が体の中を通っているような心地がしています。気持ちをすっきりと整えたいときにおすすめしたい神社です。
川勾神社へのアクセス
川勾神社 御祭神 大名貴命 大物忌命 級津彦命 級津姫命 衣通姫命 住所:神奈川県中郡二宮町山西2122 アクセス:神奈中バス 二宮駅から押切坂上 バス停下車 徒歩約14分 二宮町コミュニティバス(平日のみ)二宮駅から 「川勾神社入口」バス停下車 徒歩約6分 駐車場:あり 参拝時間:自由(社務所・授与所は9:00-16:00)

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