なぜ熱田神宮に草薙剣が?御祭神は?ご利益は?おすすめのお守りは?

神社

名古屋を訪れた折、熱田神宮へお参りに伺いました。天皇の三種の神器の一つ・草薙剣(くさなぎのつるぎ)が祀られていることで知られ、年間700万以上の人が参拝に訪れるといわれる、1900年の歴史あるお宮です。

駅からも近く、周囲は車道に囲まれているというのに、御神域の杜へ一歩足を踏み入れた瞬間、深い安心感に包まれました。この落差にまず熱田神宮の「見えない力」を感じます。

そもそも草薙剣とは何か、そしてなぜ三種の神器のひとつが熱田神宮にあるのでしょうか?

熱田神宮の草薙剣とは?

熱田神宮の御神体の正式な名前は、草薙神剣(くさなぎのみつるぎ)です。もともとは天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)と呼ばれ、素盞嗚尊(すさのおのみこと)がヤマタノオロチを退治した際、その尾の中から見出した神剣です。

この剣が「草薙剣」の名を得たのは、日本武尊(やまとたけるのみこと)の東征にまつわる逸話によります。野火に囲まれた絶体絶命の状況で、日本武尊がこの剣で草を薙ぎ払い、逆に火を放って敵を退けたことから、草薙剣と呼ばれるようになりました。実際の剣というより、目には見えない霊威そのものに深い意味があるとされます。

なぜ熱田神宮に草薙剣が?

なぜ草薙剣は皇室でも伊勢神宮でもなく、熱田神宮に祀られているのでしょうか。

日本武尊は、東征の帰り道に、熱田周辺を治める尾張国造の御子である宮簀媛命をお妃とされました。日本武尊は出陣の際、神剣を宮簀媛命のもとに残したまま旅立ちましたが、近江国(滋賀県)と美濃国(岐阜県)との堺にある伊吹山で神の怒りに触れ、三重県亀山市能褒野(のぼの)でなくなられました。

夫の死を悼んだ宮簀媛命は、西暦113年、遺された神剣を熱田の地に祀りました。それが熱田神宮の始まりと伝わります。1900年余り前の女性の祈りが、今日まで脈々と受け継がれているのです。

熱田神宮の御祭神は?

熱田神宮の御祭神は、熱田大神(あつたのおおかみ)です。

天照大御神の別称であり、草薙神剣(くさなぎのみつるぎ)をご神体とされています。

相殿神として

・素盞嗚尊(すさのおのみこと)    :八岐大蛇を退治し、草薙神剣を見出した英雄神
・日本武尊(やまとたけるのみこと) :東征の帰途、草薙神剣を熱田の地に留めた神
・宮簀媛命(みやすひめのみこと)  :日本武尊の妃。神剣をこの地に祀った神
・建稲種命(たけいなだねのみこと) :宮簀媛命の兄。尾張氏の遠祖神

境内で感じる強い力は、これだけの強大な神々が一堂に会している場所だからなのだと納得がいきます。

さらに南門をくぐった左手に鎮座する別宮・八剣宮(はっけんぐう)は、無数の剣の霊威が集まる場所で、草薙神剣の荒魂(あらみたま)が祀られているとされます。荒魂とは神の荒々しい御力のことで、勝負事や決断を求める人々に参拝されてきました。

中でも武家の信仰が篤く、天正31575)年、織田信長は長篠に出兵の際、社殿の修造を命じ、又慶長 4(1599) 年、徳川家康は拝殿・回廊・築地の修造を、貞享31686)年将軍綱吉は本殿の造替を行った等の記録が残っています。本宮参拝の後に訪れるのが慣わしです。

熱田神宮のご利益は?

熱田神宮は、家庭円満、無病息災、仕事運向上などのご利益で知られます。剣をご神体とするため、「悪縁を断ち切る」縁切りと、その後の「良縁結び」にご利益があるといわれ、人生リセットとリスタートに最適な場所として人が集まります。

約6万坪の広大な境内には、こうした「ご利益そのもの」がいたるところにあります。

まず目を引くのが、弘法大師のお手植えと伝わる大楠。樹齢1000年を超え、幹周りは7.7m、高さは20m以上という堂々たる姿です。その根元には白蛇が住むと言われ、毎日卵が供えられています。白蛇に出会うと金運が上がるとのことで、しばし静かに待ってみましたが、残念ながら姿は見えませんでした。

圧倒されたのが、信長塀です。1560年(永禄3年)、桶狭間の戦いを前に熱田神宮で必勝を祈願した織田信長が、見事勝利を収めた後、感謝を込めて奉納した全長120mの土塀。土と石灰を油で練り固め、瓦を積み重ねた重厚な造りで、当時は400mに及んだといいます。現在残るのはその3分の1ほどですが、それでも信長の思いがそのままそこにあるようで、時間の重なりをひしひしと感じました。

熱田神宮のおすすめのお守りとは?

熱田神宮には、たくさんの種類のお守りがあります。

人気があるのは、日本武尊が亡くなった時に白鳥に姿を変えて故郷に飛び去ったという伝説にちなんだ、白鳥の形をした「白鳥守」や、ミサンガのような組紐とセットになっている「勝守」など。

特におすすめは、防災・防犯を祈願した珍しいお守り「守護笛防災守」(1000円)です。吹いてみると高い音が出る日本製の笛で、災害時や緊急時の助けとなる授与品として人気です。首からかけて使える赤い紐と銀色の笛が美しいのに実用的で、思わず子どもたちの分もいただいて帰りました。

境内をゆっくり歩いた後は、そのまま境内の「宮きしめん神宮店」で名物・宮きしめんを。何度でも食べたくなる、名古屋の出汁文化の真骨頂といった味わい。参拝で澄んだ気持ちのまま、神域の緑を眺めながらいただくきしめんに、ここでも目に見えない力をいただいたのでした。

熱田神宮
御祭神
 熱田大神

住所:愛知県名古屋市熱田区神宮1丁目11
アクセス:
名鉄「神宮前駅」から東門、または地下鉄「神宮西駅」から西門
 東門:名鉄「神宮前駅」から徒歩3分、JR「熱田駅」から徒歩8分。
 西門:地下鉄名城線「神宮西駅」から徒歩3分。
 南門:地下鉄名城線「伝馬町駅」から徒歩7分。

コメント

タイトルとURLをコピーしました