よく晴れた日曜日、気象神社にお参りしました。
映画「天気の子」ゆかりの聖地として名前を聞いたことはありましたが、たまたま高円寺駅のまわりをのんびり歩いていたら、スマホの地図上に見つけました。
駅前は古着屋さんや行列ビストロ、カフェやライブハウスが並び、中央線らしい自由な空気。その中で「気象神社」という名前が飛び込んできたのです。行ってみると、そこには想像以上に“熱い”参拝風景が広がっていました。
気象神社とは?
気象神社は、JR中央線の高円寺駅から2分、高円寺氷川神社の摂社であり、日本唯一の気象の神様として人気の高い神社です。
もとは1944年4月、杉並区内にあった大日本帝国陸軍の陸軍気象部の構内に作られました。公式サイトによれば、軍にとって気象条件は作戦を立てるのに重要な要素であり、「科学的根拠に基づいた予報」がされていた中で、気象神社は「予報的中を祈願するなど、気象観測員の心のよりどころとされていた」そうです。
6月1日には「気象記念日」にちなんで、例大祭「気象祭」が毎年開かれます。
気象神社はなんの神様?
御祭神は、八意思兼命(やごころおもいかねのみこと)。
名前の通り『晴』『曇』『雨』『雪』『雷』『風』『霜』『霧』という八つの気象条件を司ることができるとされています。
「八意(やごころ)」は“様々な立場から考える”を、「兼(かね)」は“兼任”をあらわし、“一人で二人以上のことができる”という意味の名前の通り、多くの人間の知恵を一同に結集させることができる「知恵の神様」です。(公式サイトより)
高天原の最高司令官である高皇産霊命(たかみむすひのみこと)の御子神であり、天照大神が天岩戸に隠れたときに、「知恵を使って外へ導いた神」としても知られます。
気象神社のご利益とは?
気象神社の入り口には気象状況を示す青空の色の電光掲示板が輝いています。鳥居をくぐると、まず目に入るのは高円寺氷川神社の立派な本殿です。
氷川神社でお参りしたあと、本殿に向かって左手にある気象神社へ。
気軽に進んでいくと、そちらのほうは摂社なので参道が狭いせいか、行列ができています。参拝記念によいお天気を願うということかな、と想像しながら進むと、そんなものではありませんでした。
「今日結婚式の人、いいねー」
「そういえば今日も候補日にあったよね」
後ろに並んでいたカップルは、他の人たちが書いた絵馬を見ながら楽しそうに話しています。……なるほど、運動会、卒業式、遠足、ライブ、旅行。絵馬にはさまざまな晴れてほしい日が並んでいましたが、この日は気付けば周りには、結婚式の日の晴天を祈る仲良しカップルの列ができていました。
気象神社 人気のお守りは?
気象神社で参拝を終えたあと、社務所に向かうと、そこにはまた新たな行列ができていました。見ると、てるてる坊主の姿をした照々みくじをはじめ、晴守りなど、かわいいお守りがたくさん並んでいます。
さっきの気合いの入ったカップルは、桐箱に入った白地に金色の晴守りと赤い鼻緒の下駄の形をした下駄絵馬を、また別のカップルもお揃いの赤と青のてるてる守りと、赤い下駄絵馬を。どこかに書いてあるのか、皆、お守りと絵馬をセットで授与されて、また神社の絵馬のコーナーに向かっています。
社務所の壁には、テレビで見かける人たちのサイン入り色紙がたくさん飾られていました。中でも多いのが、気象予報士の方々の色紙です。気象予報士を目指す人向けの勉強会のチラシも置かれ、厳しい試験突破に向けてたくさんの人がこの場所を励みにしていることが感じられます。
熱い参拝客の方々がたくさん並んでいる一方で、お散歩コース風にさらっと立ち寄った感じのご夫婦や、「お参りしていく?」「帰りね」と言いながら通り過ぎていく学生さんグループなど、さまざまな年齢層の方がいるのも、中央線の駅近という雰囲気です。
そんな朗らかな空気の中でずっと感じていたのは、神様に神様のことを祈るような、不思議な感覚でした。
恋愛成就や金運祈願とは少し違う、空そのものへの古い感情と、それを司る神様に捧げる願い。
「明日天気になーれ」という祈りは、人間のものすごく小さくて切実な、でも根源的な祈りなのだと感じると同時に、「お天気」という日本語の意味をあらためて思いました。
気象神社へのアクセス
気象神社(高円寺氷川神社) 御祭神 八意思兼命 住所:東京都杉並区高円寺南4-44-19 アクセス:JR中央線・総武線 高円寺駅より徒歩2分 参拝時間:早朝-17:30(4-9月)早朝-17:00(10~3月)

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