伊勢神宮 外宮の別宮、月夜見宮とは? なぜ外宮の敷地の外にあるの? ご利益は?歩いてわかったその理由

神社

外宮から多賀宮、土宮、風宮でお参りをした後、そのまま向かいたい場所があります。
それが、外宮の敷地の外にある別宮・月夜見宮(つきよみのみや)です。
月夜見宮は、なぜ外宮の敷地外にあるのでしょうか。
実際に歩いてみたら、見えてくることがありました。

伊勢の外宮別宮、月夜見宮とは?

月夜見宮は外宮北御門を出てまっすぐ北に向かって伸びる「神路通(かみじどおり)」を300mほど歩いた先にあります。外宮の境内から町へ。そしてまた別の静けさへと移っていくような、不思議な感覚があります。

道の真ん中が黒く塗られているのは、そこが神様の通り道とされ、人は歩いてはいけないからだそう。生活の道路でありながら、見えない境界線がある、そこに、この土地の人々が、神様とともに暮らしてきた距離の近さを感じます。

月夜見宮のご祭神は月夜見尊(つきよみのみこと)。天照大御神の弟神で月にたとえられます。

月夜見宮は、月夜見尊月夜見尊荒御魂(あらみたま)を一つの社殿に合わせてお祀りしています。

多賀宮と同じく、御祭神の「荒ぶる」ほうの御魂=神の霊の働きのうち、物事を動かし、現実を前に進める力もお祀りされています。境内に入ると、外宮の厳かな少し緊張感のある空気とは異なる、鏡のように静かで透明な、でもぴんと力強い空気に包まれた感覚がありました。

まず目に入るのは、境内に静かに立つ樹齢数百年の大きな楠です。境内の空気と大楠のとてもおおらかな、包み込むような気配が混じり合い、まず体の力がふっと抜け、ゆっくりと深呼吸。車が行き交う街の中にあるとは思えないほど、時間の流れが違う感じです。整えるというよりも、大きな流れに戻る場所だと教えてもらったようでした。

月夜見宮はなぜ外宮の敷地外にあるの?

月夜見宮社殿の右手奥には、高河原(たかがわら)神社が鎮まります。外宮の摂社で、月夜見尊御魂(つきよみのみことのみたま)を祀るお社です。

この一帯は古くから川沿いの段丘にあり、地形から高河原と呼ばれ、延暦23(804)年の『止由記宮儀式帳』には「高河原社」の名が記されています。川の流れと農耕に深いつながりのある、土地の守り神として古くから祀られた場所。鎌倉時代初期の1210年、月夜見宮は摂社から別宮へと昇格したと伝えられています。

境内の一角には、伊勢神宮の公式案内には載らない小さな稲荷も鎮座しています。対になった狐の像が御神木を守る姿からも、この場所が、はるか古代から信仰があった土地であることが伝わってきます。だからこそ、月夜見宮は外宮の敷地の中ではなく、今も人と神域の境目で、そのまま大切にされているのかもしれません。

月夜見宮のご利益は?

伊勢神宮には、おみくじがありません。理由として公式サイトにはこうあります。

おみくじは日ごろからお参りできる身近な神社で引くものでした。また、「一生に一度」とあこがれたお伊勢参りは、大吉でないわけがありません

同じように、伊勢神宮はまず感謝を捧げる場所、月夜見宮のご利益についても解説はありません。けれど、外宮の別宮として、たしかに月夜見宮のご利益も、この澄んだ空気の中で衣食住や産業の守護、商売繁盛など、日々の暮らしが回っていくことをあらためて願い、受け取ることができることにあるように感じました。

月夜見宮と月読宮との違いは?

伊勢神宮には内宮の別宮にも「月読宮(つきよみのみや)」があります。
同じ呼び方のお宮が二つ、違いは何でしょうか。内宮の別宮にも「月読宮」がありますが、月読宮と月読荒御魂は分けて祀られています。

内宮の別宮なので、ご利益も、より内面的な静けさや、思考の整理、心を鎮める働きと結びついて語られることが多いです。

同じ月の神様でも、月夜見宮は暦の神様として暮らしに寄り添い、月の満ち欠けや潮の干満を司る月、月読宮は内面を照らす月。この配置の違いそのものが、そのまま月の役割の違いに重なりました。

多賀宮で力を受け取り、月夜見宮でゆったりとそのパワーになじんでいく。外宮のお参りはここでひと区切りです。

参拝の後は、太陽の神を祀る内宮の世界へ。その前に、腹ごしらえ。歩いて20分ほどの「つたや」の伊勢うどんがとにかくおいしいですが、外宮参道をのんびりぷらぷらと歩きながら、伊勢市駅に向かうのもおすすめです。

月夜見宮
 御祭神
  月夜見尊
  月夜見尊荒御魂

住所:三重県伊勢市宮後1丁目3-19
アクセス:外宮 北御門口より300m、JR伊勢市駅より400m
開門時間:
1月-4月, 9月 5:00-18:00
5月-8月 5:00-19:00
10月-12月 5:00~17:00
駐車場有

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