貴船神社はなんの神様? 奥宮の見どころ・ご利益は? 水に包まれる不思議な参拝体験

京都

貴船神社にお参りに伺いました。下鴨神社、上賀茂神社と水の流れをたどり、さらに北へ。京都・鞍馬の山あいに鎮まるこの神社は、水の神・高龗神を祀り、縁結びや雨乞いのご利益で知られます。

本宮・結社(ゆいのやしろ)・奥宮へと歩くうちに、水の気配は少しずつ深まっていきます。奥宮では、水に包まれるような不思議な感覚も——その見どころと参拝体験を紹介します。

貴船神社はなんの神様?

貴船神社の御祭神は高龗神(たかおかみのかみ)です。日本神話に登場する水の神、雨乞いや降雨・止雨を司る龍神(蛇神)とされています。伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が軻遇突智(かぐつち)を斬った際に生まれた神のひとつで、山峰の水を司る存在とされ、貴船神社をはじめ全国約1600社で信仰を集めています。

また、下鴨神社にも祀られている玉依姫命が、現在の大阪湾から船に乗り、淀川、鴨川、貴船川を遡って、この地に至ったという伝承も残されています。もともとは屋宮の地に鎮座していましたが、1055年の水害により現在の本宮の位置へと遷されました。

貴船神社のご利益は?

「きふね」は古くから「氣生根」と記され、気の生ずる根源と考えられてきました。御神気に触れることで気が満ちるとされ、所願成就、えんむすび、運気隆昌のご神徳で知られます。
また、貴船には「木生根」という文字も当てられて、その名の通り、境内には立派な御神木が点在し、数百年の歴史を静かに伝えています。

貴船神社の見どころは?

貴船神社の石段の両脇に灯籠が並ぶ本宮は、どこか象徴的な「入口」のような場所でした。傘がなくてもいいほどの霧雨のなか、水の中に入っていく心地がします。

手水舎で清め、参拝を終えてからご神水のエリアへ。名物の「水占みくじ」は、水に浮かべることで言葉が現れるという体験で、貴船神社ならではの“水の働き”を感じさせてくれます。

いっぽうで、多くの人が同じ体験を繰り返すなか、役目を終えたおみくじが手際よく回収されていく様子も目に入り、ふと現実に引き戻されるようなーーそれも含めて現れては消えていく、水の性質の一部なのかもしれません。

貴船神社では、本宮・奥宮・結社の順に巡るのが良いとされています。今回は奥宮を最後にお参りしたく、本宮から順に登っていきました。

結社|人の願いが集まる場所

結社は本宮と奥宮の間にあります。御祭神は磐長姫命(いわながひめのみこと)が祀られています。木花咲耶姫の姉神であり、妹だけが瓊々杵命(ににぎのみこと)に望まれて嫁いだことから、「磐長姫は大いに恥じて『吾ここに留まりて人々の良縁を授けよう』と御鎮座された」という伝承が残されています。

この物語には、どこか日本の残念な価値観の根のようなものも感じられますが、磐長姫命の思いにあやかり、縁結びを願う人々が多く集まっていました。

御神木に抱きついたまま動かない人の姿もあり、人の願いの強さに少し驚きつつ、同時に、この場所がそれだけの思いを受け止めていることも感じます。境内には、すべてを受け入れるような、やわらかな空気が流れていました。

貴船神社 奥宮の不思議な参拝体験

結社を出てからしばらく坂道を登り、ようやく見えた奥宮の鳥居。大木が続く参道を抜けて境内に入ると、ふと雨が止んでいることに気づきました。湿度は高く、水の中で息をしているような感覚があります。

広くひらけた境内を奥に進むと、奥宮の社殿があります。こちらには、高龗神とともに、闇龗神(くらおかみのかみ)も祀られていると伝わります。降雨・止雨を司る龍神であり、水の神として知られています。

社殿の地下には、誰も見ることのできない「龍穴」があると伝えられています。

そのそばに、「権地」と書かれた札が立つ空間がありました。社殿修復の際に、龍穴を護るために本殿を一時的に移すための場所とのことです。何もないはずなのに、この場所の空気はどこか尋常ではありませんでした。社殿の反対側には、玉依姫命が乗ってきた黄船(きふね)が隠されているという、苔むした石組み「船形石」が残されています。

その場に立ったまま、しばらく動けませんでした。音が遠のき、空気の密度だけが静かに増していく……。ふと、既視感を覚えました。

——奈良で訪れた、丹生川上神社下社。森の中で川音に包まれ、水の中に入り込むような心地がした、あの場所です。

調べてみると、どちらも同じ高龗神を祀り、貴船神社は丹生川上神社下社の真北に位置しているのだそうです。だからなのか、あるいは偶然なのかはわかりません。

ただ、水の気配の質が、どこか深いところでつながっているように感じられたことだけは確かでした。

水の気配は、まだどこかへ続いているようでした。
その余韻を抱えたまま、バスに乗って山を降りました。

貴船神社へのアクセス

貴船神社
御祭神
 本宮 高龗神
 結社 磐長姫命
 奥宮 高龗神 
      闇龗神
住所:京都市左京区鞍馬貴船町180
アクセス:叡山電鉄 出町柳駅から貴船口駅→バス4分
 地下鉄烏丸線 国際会館駅から京都バス(52)→貴船口→バス4分

開門時間: 
 本宮 参拝時間(水占みくじ含む)6:00~18:00(12/1~4/30) 
    授与所受付(御守、御朱印など)9:00~17:00
   ※夜間特別ライトアップ  5/2(土)-5/5(火) 日の入りから20:00まで

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