熊野那智大社(那智の滝)と飛瀧神社は何の神様? ご利益は? 回り方は? 森で受け取る法螺貝の音

和歌山

熊野那智大社(那智の滝)へお参りしました。

那智の滝は、熊野那智大社の別宮「飛瀧(ひろう)神社」の御神体として祀られており、毎秒1トン以上の水が流れ落ちているといわれます。いずれも世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部でもあります。

今回は、熊野那智大社の御祭神・由緒・ご利益を解説。飛瀧神社で那智の滝を見上げる体験や、森の中で感じる空気の変化など、現地での体感をもとに魅力を紹介します。

熊野那智大社とは? 何の神様?

熊野那智大社は、熊野三山のひとつに数えられます。

熊野三山とは、熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社の三社を指し、それぞれが異なる性質を持ちながら、ひとつの信仰として成り立ってきました。

熊野那智大社の石段を上り、朱色の社殿が並ぶ境内に立つと、整えられた空間の中に、山の気配がそのまま残っているように感じられます。すぐ隣にお寺があるので、たくさんの人が行き交い、にぎやかな雰囲気です。

御祭神は、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)。
伊弉冉尊(いざなみのみこと)と同一とされ、命の終わりと再生の循環を司る存在といわれています。

公式サイトによれば、「もともと那智山では、飛瀧神社のある場所で瀧の神様と熊野の神々がお祀りされており、仁徳天皇5(317)の年に熊野那智大社が造営され、現在の位置に遷った」そうです。那智の滝そのものを神として祀る自然信仰が起源とされ、のちに社殿が整えられ、現在のかたちになりました。

那智の滝はどこに?

境内に立つ、平重盛が手植えしたと伝わる樹齢800年の大きな御神木「那智の楠」を味わい、玉置神社、熊野本宮大社、熊野速玉大社と同様に、烏牛王神符(からすごおうしんぷ)をいただきました。「那智御瀧の水で墨を摺り、神職によって一枚一枚奉製された」という、カラス文字で書かれた魔除けのお札です。少しずつ文字もデザインも違うのが興味深いところです。

すぐ隣の青岸渡寺でお参りをした後、少し進んだその先で、ふいに少し遠くの山のほうが視界に入りました。

落差133m、滝壺の深さ10mという那智の滝と、赤い三重塔です。熊野那智大社の別宮「飛瀧神社」の御神体として祀られており、毎秒1トン以上の水が流れ落ちるといわれます。

それはあまりにも唐突で、これが現実の眺めなのかと戸惑うほどでした。まるで、昔の掛け軸に描かれている風景を、そのまま目の前に差し出されたような感じです。一瞬、これが現実の景色なのかどうか、わからなくなるほどでした。

これは早く近くまでいきたい。急いで、森の中に続く美しい山道、467段の石段を降りていきます。ゆるい坂道と急な近道があり、迷わず急な方を選びます。石段を降りているとき、大きな滝は木々のあいだから一瞬だけその姿をのぞかせ、またすぐに隠れてしまい、音だけが聞こえてくる。滝の存在を強く感じながら、だんだんその音に近づいていく……そんな不思議な時間が続きます。

空気も少し重く、湿り気を帯びていて、ただ歩いているだけなのに、どこか別の層に入っていくようで、滝にたどり着くまでが、すでにひとつの場のように感じられました。

15分ほど階段を降りていくと、やがて滝の全体が見えてきます。その前まで行って、しばらく圧倒されながら見上げていました。

那智の滝。
上から下へ、ただまっすぐに落ち続ける水。

前に立つと、自然に視線が上へと引き上げられます。社殿はなく、滝そのものが御神体です。ただ、その前に立つしかない。その静かな圧倒の中で、自然と姿勢が整っていくようでした。

社務所に300円をおさめると、3分ほど上がったところにある、滝の真正面の御瀧拝所舞台まで行くこともできます。滝壺の水をいただいたり、水のおみくじも引けるとのことでしたが、すでに受付時間は終わっていて、かないませんでした。でも、それで十分でした。

熊野那智大社 神社のご利益は?

熊野那智大社は、「古くより『結宮(むすびのみや)』と称され、人の縁だけではなく諸々の願いを結ぶ宮」(公式サイト)として、開運や厄除け、延命長寿、縁結びなどのご利益で知られています。

熊野の神は、古くから「よみがえり」の信仰と結びついてきました。
一度終わったものが、また新しく始まる。
その循環の中に、人は何度でも立ち戻ることができるという考え方です。

でもこの場所に立っていると、そうしたご利益を言葉として受け取る前に、すでに何か大きな流れの中に立ち戻っているような感覚がありました。

帰り際、那智の滝に向かって山伏が鳴らす法螺貝の音が聴こえてきました。那智四十八滝回峰寒行など、山に入る際や修行の開始時に、旅の無事や諸願成就を祈願して吹くそうです。

夕方の山に響きわたるその音と一緒に、ぐるぐると熊野の山々を飛び回るような感覚を満喫しながら、那智の滝を後にしました。

熊野那智大社へのアクセス

熊野那智大社 
御祭神
 熊野夫須美大神
住所:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山1
アクセス:JR紀勢本線 紀伊勝浦駅より熊野御坊南海バスでバス停「那智山」まで約30分
開門時間:熊野那智大社 6:00−18:00(御祈祷受付 8:30-15:30)
     飛瀧神社 参拝自由(御祈祷受付:同上)

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