さいたま・久伊豆神社 人気の孔雀の御朱印と、徳川家康も祈りを捧げた大地のパワー

神社

今回は、さいたま市岩槻区の岩槻総鎮守 久伊豆(ひさいず)神社をご紹介します。

出雲族の土師(はじ)氏が創建したと伝わり、見上げると高い木がアーチのように美しい参道が続く、久伊豆神社。実はさいたまのこの地域には、「久伊豆神社」が50以上もあり、徳川家康公もこの岩槻の久伊豆神社にわざわざ祈りを捧げに来たそうです。祈りの歴史が幾重にも積み重なるこの場所に宿るパワーの秘密を探ります。

なぜ、久伊豆神社の御朱印には孔雀がいるのか?

久伊豆神社を訪れると、まず心がすっと鎮まるのが、埼玉県の「自然百景」や「ふるさとの森」にも指定されている、神社の本殿まで500m続く長い参道です。約1万坪の社叢はスダジイ、スギ、クスノキ、ケヤキなどから構成されています。背の高い木々がトンネルのように連なり、長い参道を歩くだけで、すぐに心がゆったりとほどけていきます。この森もまた、土師氏によって植え整えられたものと伝わります。

参道を抜けて、境内へ。右手に小屋がありました。中をのぞいてみたら、孔雀がいました。ちょうどオスがそばにいたメスに向かって、何度も美しい羽を広げてビリビリと震わせ、見せびらかしていました。孔雀は昭和13年(1938)に朝香宮鳩彦殿下より3羽が奉納され、今は20羽近くに増えているそうです。

この孔雀も、久伊豆神社の人気の理由の一つです。「災いや苦しみを除き、幸福を招く鳥」、孔雀にあやかり「救邪苦(くじゃく)」という文字があてられ、孔雀の羽が封入された御守や、毎月9日には「孔雀の日」として、孔雀の模様が入った切り絵の御朱印が頒布されます。12月には、孔雀と来年の干支うまにちなんだ切り絵の御朱印を作るワークショップも開かれるようです。

出雲の大神を祀る久伊豆神社が、埼玉県内に50社以上も?

久伊豆神社の御祭神は出雲大社と同じ、大己貴命(おおなむちのみこと/大国主命)。

大国主命が主祭神であることから、「縁結び」の神様として、さらに境内にある2本のモッコクが一本に結ばれた「夫婦モッコク」が縁結びの御神木としても人気があり、初詣にはたくさんの参拝客が訪れ、長い参道に長い列ができることでも知られます。他にも「除災招福」「子授・安産の神・商売の神・農工の神・医療の神」と多方面にご神徳があります。

公式サイトによると、今から約1400年前、「出雲族の土師氏が東国へ移住するにあたり、この地に出雲族の親神である大已貴命を勧請したのが始まり」という歴史があります。

“久しい出雲の大神”を祀る神社であるという説もあり、その信仰はやがて元荒川流域一帯に広まり、いまでは埼玉県内だけでも50社以上の久伊豆神社が存在するのです。

ご由緒によれば、「平安時代、武蔵野に勢力を誇った武士集団『武蔵七党』のうち、野与党と私市党の崇敬を集め、その勢力下にあった元荒川流域に『久伊豆信仰』が広まりました」とあります。ここより西側の荒川流域の氷川神社、東側のエリアの鷲宮神社、利根川より東の香取神社の間にあって、独自の信仰圏がつくられています。

久伊豆神社に、徳川家康公がご祈願に訪れた理由は?

久伊豆神社の「総本社」は越谷にあり、パワースポットとして紹介されることが多いですが、この岩槻の久伊豆神社も古くから人気が高く、社名が“クイズ”と読めることから、かつては「アメリカ横断ウルトラクイズ」の予選会場となったことでも知られています。初詣には「縁結びの神」として多くの参拝者が訪れます。

御由緒の説明には、湯島天神や江戸城を築いたことで知られるあの太田道灌公のお名前も。岩槻城を築いた際、城の乾(北西)にあたるこの地に社殿を再建し、城内の総鎮守としたと伝わります。軍事の成功や子孫繁栄を祈願したそうで、境内には菅原道真を祀る天神社もあります。

江戸時代には、岩槻が江戸の鬼門に位置したことから、城主として歴代の大名が住むなど重んじられました。久伊豆神社に徳川家康が祈願に訪れたのは、この場所の力を求めてのことなのです。

久伊豆神社のエリアには、縄文時代から大地のパワーが?

実は久伊豆神社があるエリアは、縄文遺跡が多い地域でもあります。

帰り道、近くの国指定史跡「真福寺貝塚」に立ち寄りました。縄文後期から晩期(約3800年〜2600年前)の集落遺跡で、周辺にも同じ時期の遺跡が10ヶ所ほど確認されています。シートで囲まれているものの、すぐ近くまで家が並んでいる住宅街の中に、ここだけ広い空間がぽっかりと広がっています。風が通り抜けるとても心地のいい場所でした。

胡麻の種が栽培植物として出土した記録もあり、遠方との交流も想像されます。真福寺貝塚では、12月に今年度のさいたま市主催の現地見学会も開催されるようです。

土地の記憶と祈りの歴史が何層にも重なった場所ーー青空の下、森のトンネルと遺跡に広がる緑に力をもらいながら、岩槻を後にしました。

 

岩槻総鎮守 久伊豆神社
埼玉県さいたま市岩槻区宮町2丁目6番55号

アクセス:岩槻駅西口より徒歩15分
東武アーバンパークライン(東武野田線)
JR大宮駅から 普通 11分・急行 7分
東武春日部駅から 普通 10分・急行 6分

開門時間 :午前5時〜午後7時
受付時間 :午前9時〜午後4時(季節・祭事により)

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